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1.
時は双月暦506年。
夜道を駆ける、三毛耳の、猫獣人の少女がいた。名を、晴奈と言う。
央南地方で名を馳せる大商家の令嬢であったが、先刻その身分を自ら、捨ててきた。
彼女にはある、志があった。
「強い剣士になりたい」と。
彼女は何不自由なく育てられていた。ゆくゆくは婿を取らせて家を継がそうと、親は決めていた。だが、晴奈にはそれが、何よりの不満だった。「自分の人生は自分で決める。親とて、自分を縛れない」と、物心付いた時から考えていた。
そして、つい先ほど。ある者との出会いで、その思いをより、明確なものにしたのだ。
であるから、今、晴奈は夜道を走っている。その者に、もう一度逢うために。
彼女こそ、後に「蒼天剣」の異名で世界を駆け巡った女武芸者、セイナ・コウ(黄晴奈)である。
その始まり――彼女が志を抱き、央南に一大勢力を築く剣術一派、焔流に入門するまでを、これより記す。
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