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黄輪雑貨本店 別館

黄輪雑貨本店のブログページです。 小説や待受画像、他ドット絵を掲載しています。 その他頻繁に更新するもの、コメントをいただきたいものはこちらにアップさせていただきます。 よろしくです(*゚ー゚)ノ

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蒼天剣・紀行録 3

晴奈の話、18話目。
もっと異国のお話。

いつもきっちり、しっかりしてる人が、うっかり抜けたところを見せる。
こう言うシーン、大好き。
 
 
 

3.

「央南、央中と来たから、次は央北――中央大陸北部の話。ここは『天帝と政治の世界』。世界最大の宗教、天帝教と、中央大陸北中部や西方大陸に影響力を持つ巨大な政治組織、『中央政府』の本拠地ね」

「中央、政府?」

 あまりに物々しい語感に、晴奈は胡散臭そうに聞き返す。

「ああ、まあ……、向こうとこっちでは言葉のズレがちょっと、あるから。そんなに大仰なものでも無いわ。

 北中部の国家、ギルド、商会など様々な団体、組織が加盟する大きな政治共同体で、古代から中央大陸、いえ、世界政治に大きな影響力を持っているわ。……と言っても、時代を重ねるごとにその影響力は弱まって、今は央北と、央中の北部、あと西方の東岸あたりまでが、現在の勢力圏ね。

 で、この中央政府って、元々は双月暦元年に現れたと言う神様――『天帝』が自分の創った宗教、天帝教を広めるために創設したらしいわ」

「ふむ……、神様が、人間たちの世界の政治を執り行った、と言うことですか。何だか本当に、おとぎ話のような……」

「古い伝説だし、どこまでが本当なのかは、ちょっと疑わしいけどね。でも、現在世界的に広く使われている双月暦や魔術の基礎は天帝教が発祥らしいし、今でもその名残はあるわね」

「それで、その天帝教と言うのはどんな宗教なのですか?」

 晴奈の問いに、柊は「うーん」と軽くうなる。

「わたしも詳しく知っているわけじゃないから、説明できるかどうか……。何でも、天帝の言葉や知識を記した経典があって、それに従って、正しく生きることを目的とするとか。まあ、良く分かんないんだけどね」

「ふーむ……?」

 説明されても、いまいちピンと来ない。柊も十分に分かっているわけでは無いらしく、それ以上の説明は避けた。

「ま、そこら辺は置いといて、風土の話をしよっか。

 ここには『狼』、『猫』、エルフ、あとは世界で最も『人間』の割合が多いわね。天帝も種族としては、人間の形をとっていたとか。温暖な気候と豊富な食物、それに天帝教の教義のおかげか、人々は概ね、明るくて優しい人たちばかりね。でも……」

 そこで柊の語調が、少し落ちる。

「中央政府の本拠地、クロスセントラルは一際にぎやかだけど、色々悪い噂も立っているわね。いわく、『中央政府は克の傀儡』だとか、『大臣たちが日夜、利権の奪い合いに奔走している』とか。中央政府に関しては、本当に黒いうわさが尽きないわね。もしクロスセントラルに行くことがあっても、政府関係の地区には行かない方がいいわよ。得るものは少ないし」

 含みのある言い方に、晴奈は少し引っかかった。

(少ないし、……って、師匠は行ったことが?)

 だが、それについては話したく無さそうだったので、聞くのは避けた。

「でも、市街地はとっても楽しいわよ。ここもゴールドコーストと同じ、いえ、それ以上に人が集まってくる場所だから、退屈はしないわね。ご飯も美味しいし、そっちの方は行って損は無いわ」

 

 中央大陸の話を一通り聞き終え、晴奈はずっと気になっていたことを尋ねてみた。

「あの、師匠。『兎』の方は、どの地方に多いのですか?」

「うーん、中央では少数派ね」

「と言うことは、中央大陸の『外』、にいるのですか」

 その言葉に柊はうなずき、中央大陸の絵の周りに「北」「西」「南」と書き込む。

「央中に『狐』と『狼』が多いのを除けば、中央大陸で一番多いのは、耳の短い種、いわゆる人間。その次に耳の長い種、エルフ。次いで晴奈と同じ『猫』。

 でも、海外では逆に、これら3種の割合が少なく、他の種族がとても多くなるわね。わたしも行ったのは西方の、ほんの一部だけだけど、それでも雰囲気は大分、中央とは違っていたわ。晴奈が気になってる『兎』も、多く見かけたわね」

「なるほど……」

 晴奈は相槌を打ちながら無意識に筆を執り、可愛らしい兎を描く。それを眺めていた柊は、ぷっと吹き出した。

「……晴奈、あなた変なところで可愛いわね」

「へ?」

 晴奈は素っ頓狂な声を出し、筆を止める。柊はクスクス笑いながら、手を振った。

「ううん、何でもない」

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