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黄輪雑貨本店 別館

黄輪雑貨本店のブログページです。 小説や待受画像、他ドット絵を掲載しています。 その他頻繁に更新するもの、コメントをいただきたいものはこちらにアップさせていただきます。 よろしくです(*゚ー゚)ノ

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蒼天剣・討仇録 4

晴奈の話、27話目。
必殺仕事人?


※今回は微グロ! ご注意ください!

↑筆が乗ると、時折猟奇的になったりします。
ご容赦いただきたい。
もちろん、「ナマ」は出しません。何とか「さわり」までに押さえますので。


4.

 今宵は双新月――白い月も、赤い月も見えない、そんな夜だった。

 月の光の無い、真っ暗な夜道を、二つの影が滑るように進む。その影は青江の海岸線に沿って進み、恐るべき速さでかつて友が住み、今は仇に奪われた屋敷に走っていく。

 仇を討ち取るために。

 

 

 

 道場のど真ん中で酒を呑み、悦に入っていた島はその「妖気」に気付いた。

 まるで全身を炎に包まれた獣が、その炎をものともせず、大地を駆っていくような、その尋常ならざる気配。

「む……?」

 腐っても、一端の剣士ではある。島はその異様な気配を察し、床の間に飾っていた刀に手をやった。

 ほぼ同時に――道場の扉が×状に裂け、燃え上がった。一瞬で燃え尽きた扉の向こうに、エルフと「猫」の、二人の女剣士――柊と晴奈の姿があった。

「昼間の、武芸者どもか。一体、わしに何の用だ?」

 柊は道場が震えるような、高く、大きな声で応えた。

「我が名は柊雪乃! 焔流、免許皆伝の身である! 今宵は我が友である楢崎瞬二の無念を晴らしに参った! 島竜王、その命――頂戴する!」

 柊の刀に火が灯る。横にいた晴奈の刀にも、同じく火が灯り、今度は晴奈が叫ぶ。

「我が名は黄晴奈! 焔流剣士である! 我が師、柊雪乃に助太刀いたす!」

「は、は……。逆恨みもいいところだ。まっとうな勝負で、わしはこの道場を手に入れたのだ。無念だの仇だの、片腹痛いわ!」

「ほざくな、戯言を! 楢崎の家族に危害を加え、脅迫したこと! 知らぬと思うのか!」

「知らんわ! 証拠でもあると言うのか!?」

 柊と晴奈は同時に、刀を振り上げる。

「問答無用! 我らは友の無念、晴らす一念をのみ持てり!」

 そして同時に、刀を振り下ろした。

「焔流奥義、『火射』ッ!」

 振り下ろした刀の延長線上を滑り、炎が走っていく。思っていたよりも早い、その炎の筋に、島は若干、慌てて飛びのく。

「お、っと! いきなり攻撃か! 油断を突くなど、それでも剣士か、お前ら!」

「敵を前にして油断など、それこそ剣士ではない! 覚悟しろ、島ッ!」

 柊師弟は同時に道場へ飛び込み、島に斬りかかる。だが島も、両手に刀を持ち、二人の太刀を防ぐ。

「二刀流か……!」

「ふっふ、女の剣など打ち破るのはたやすい! 刀錆にしてくれるわ!」

 そう言うと島は二人の刀を弾き、左にいた晴奈に向かって両手の刀を振り抜いた。

「む……ッ」

 晴奈の刀を挟むように剣閃が走り、絡め取って弾く。

「ほら、胴ががら空きだッ!」

 島の右手が伸び、晴奈の腹に向かって刀を突き入れる。だが俊敏な「猫」である晴奈は、瞬時に後ろへ飛びのき、突きをかわした。

「チッ! すばしっこい……!」

「でやあッ!」

 島の意識が一瞬、晴奈に集中したその隙を狙い、柊が袈裟斬りを入れる。ところがこれも、島が背中に刀を回し、防いでしまう。

「無駄だ! 島式二刀流は攻防一体! 片手が防げば、片手が刺す!」

「あら、そう」「ならば」

 もう一度、柊師弟は連携を見せる。島の前後から、同時に薙いだ。

「はははっ、それも万全よ!」

 島は逆手に刀を持ち、二人の攻撃を弾く。

「どうだ、この鉄壁! この刀の壁! お前ら如きに破れる代物では無い!」

「そうかしら」「手ぬるい」

 師弟は不敵に笑い――交互に打ち合い始めた。晴奈が島に斬り込む。島はそれを弾く。弾くと同時に柊が突く。島はもう片手でそれを打ち落とす。落とした瞬間、晴奈が刀を振り下ろす。

「む、お、この、ぐ……っ」

 晴奈たちの旋風のような無限の連打を受け、島は一向に、攻勢に転じることができない。

「ま、ま、待て、待て、待てと、言うに」

 次第に、島から弱気が漏れる。

「やめ、がっ、やめて、ぐっ、やめてくれ、ぎっ」

 島の刀がガクガクと歪み、島自身も脂汗を流し始める。

「は、う、かん、べん、して、うぐ、してくれ、ひぃ」

 だが、師弟の太刀筋は弱まるどころか、勢いを増していく。

「わ、わる、わるかった、あやま、ああ、あやまるか、ら、かんべ、かん、か、か……」

 だが、二人に島を許す気など、毛頭無い。

「今さら、そんなことを言っても無駄だ」「冥府でじっくり、反省するがいいわ」

 やがて島の刀も両腕も、限界に達し――その胴に、柊師弟の刀が到達した。
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